オプティミストはなぜ成功するか

オプティミストはなぜ成功するか」(マーティン・セリグマン)は先日の13項目の「情熱」(モチベーション)を保つのに役にたつ本です。
オプティミストはなぜ成功するか
著者セリグマンは高名な心理学者で学習性無力感という理論を発表しています。セリグマンの無力に関する実験は以下のページをご覧ください。
http://www.kyoto.zaq.ne.jp/dkaqw906/spopsy6.htm
最近ですと深海魚のカタルシスさんでも紹介されていました。
http://d.hatena.ne.jp/Agguy0c/20070502/1178084208
この実験の説明には少しだけ補足があって、電気ショックを与えられ続けられた犬のうち3分の1は無力状態に陥らなかった犬がいたそうです。この存在がセリグマンのオプティミストに関する研究のきっかけになります。オプティミストペシミストは不幸に遭遇したときの説明スタイルの違いから生じるそうです。説明スタイルには永続性、普遍性、個人度の三つがあり、オプティミストペシミストだと以下のように異なります。

■永続性
オプティミストは、不幸の原因は一時的なものだと信じている。ペシミストは、自分に起こった不幸は永続的であり、いつまでも自分の人生に影響を与えると考えている。

<悪い出来事の説明>

オプティミスト ペシミスト
私は疲れている 私はもう立ち直れない
君は私が部屋を片付けないとがみがみ言う 君はいつもがみがみ言う

良い出来事の説明の場合、悪い出来事のときと説明が逆になる。つまり、オプティミストは永続的な説明をし、ペシミストは一時的な説明をする。<良い出来事の説明>

オプティミスト ペシミスト
私はいつもついている 今日はついている
敵は能力がない 敵は疲れていたんだ

■普遍性
オプティミストは不幸の原因を特定の(限定的な)説明をする。ペシミストは普遍的な説明をする。

<悪い出来事の説明>

オプティミスト ペシミスト
この本は役に立たない 本は役に立たない
私はこの分野では役に立たない 私は役に立たない

良い出来事の場合は、やはり逆になる。つまり、オプティミストは普遍的な説明をし、ペシミストは限定的な説明をする。<良い出来事の説明>

オプティミスト ペシミスト
私は良くできる 私は数学が良くできる
私はうけがよかった 私は彼女にうけがよかった

■個人度
オプティミストは悪い出来事に対し外向的な説明をし、ペシミストは内向的な説明をする。<悪い出来事の説明>

オプティミスト ペシミスト
お前は馬鹿だ 私は馬鹿だ
私は貧乏な境遇で育った 私は安定性に欠ける人間だ

<良い出来事の説明>

オプティミスト ペシミスト
私は幸運をのがさない 偶然幸運にめぐまれた
私の技がさえていた チームメイトにめぐまれた

一般に「希望」と呼ばれるものは悪い出来事に対する永続性と普遍性の説明スタイルで成り立っているそうです。

原因が一時的と考えることによって無力状態を時間的に制限できるし、特定の原因によるものだと思えば無力さをその状況のときにだけ限定できる。

この本には自分の楽観度を計るテストもあります。テストを見てみると、入社のときにやったことがあるやつです。有名なテストなんでしょうね。このテストを試してみたところ、私は超ペシミストでした…